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旅行のおもいで 2
memories of travelling 1
ぼくは、「外国では〜、日本では〜」式に論じている読み物が嫌いだ。
だから、ぼくが旅行を報告するときには、自分の感じた違和感を表現するように心がける。
それが宗教や法律といったビッグタームでも些細なものでも重要性はかわらないと思う。
外国⇔日本や彼ら⇔我々というわかりやすい図式で物事を説明することが、
現実の多様性や差異を封じ込める。
けれど、実際にぼくが旅行について述べるときに、「外国では〜、日本では〜」を使う。
だって、それ以上に適切な言葉がないのだもの!
外国でよく日本のことについて尋ねられる。
日本食についてどう説明する?
どう説明したところでどうせ相手は理解できないのだ。
なにせ僕だって詳しく知らない。
だから、今日は外国人の怒らせ方を研究したい。
なにも異文化コミュニケーションは和をもって貴しとなすが唯一の目的ではない。
その目標設定じたい日本的なのだ!!なんてね。じゃーどうすんだ。
問いの立て方が間違っていたら答えは永久にわからない、かもなんてね。
テーマは醤油。
日本全国で色々な醤油がある。
ぼくが滞在したイスラエルのキブツにはヤマサの醤油があった。
埼玉出身のぼくにとって、キッコーマンが醤油の代名詞であって欲しいもんだ。
友人がこれ見よがしにその醤油瓶を持ってきてくれたとき。
けれど、ぼくは鹿児島や離島のひとが好んで使う砂糖醤油も知っている。
砂糖醤油でたべる新鮮な刺身はおいしい。
ここでやり方は2通りあるとおもう。もしくは3通り。
1、いかに外国産大豆を使った製品が市場を席巻しているか、などを
苦虫を噛み潰したような顔で言うと効果的だ。
目の前にある醤油を、
「あーこれも外国産だね、しかも出荷後何日経ってんの?
工場カリフォルニアにあるぜ」
と汚いものでもつまむように持つと良い。
それから、ときたまいる日本通が日本人顔負けの知識を持っていたりする。
日本人という出生地主義で、こっちが正しい!と押し通すべきだ。
イエスキリストは日本人だった!とかいうのもいいかも。
2、コミュニケーションの場や流れを大切にする立場。
どうせわかんねーんだから適当に言っておけ、あるいは言わせておけ、と。
向こうだって社交でそういう話題だしてるだけだってーの、と。
この場合、醤油の代わりにナンプラーを出されても気にしない。
ビョークは日本人?って言われてもイエスと言おう。(ていうか、ここ実話…)
3、最後は極力そういう話題を避ける。めんどくさいもんね。
でも、人間なんて他に話すことそうねぇんだよ。
言葉に堪能になればなるほど僕らは実質を伴わない会話を
多く交わすようになる。
コミュニケーションが人間の孤独と不安を紛らわす。
長年連れ添った夫婦の会話のように。
しかし、これほど発達した言語体系が孤独と不安を源にしているとすれば、
すこし哀しい結論ではある。
だから、ぼくらの会話にもそれなりの意味があると思うことにしよう。
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